仕事中にラジオを鳴らしていることが多いのですが、ある日、ものすごい奇声がスピーカーから聞こえてきて、それが小林ゆうさんでした。
役者としての小林ゆうさんの活躍は、もちろん知っていました。とにかく声に存在感があって、時々本当にはっとするような芝居をされますね。ながら見をしていたテレビのほうに、思わず振り向いてしまう。要するに、注目していたわけなのでした。
その役者・小林ゆうって、普段の人となりはこういう人なの!? ということを、ラジオ経由で知って非常に驚いたわけです。
こういう人、というのはつまり、
ものすごい周波数でめまぐるしく上下するテンション。
ことあるごとに言及される豚愛好っぷり。
言語を絶する人外魔境の画力。
そして、それがラジオ用のキャラクターではなく、どうやらふだんからずーっとこんな感じらしい、という噂を聞くに及んで、いったいその噂は本当なのか、いっぺん直に会って確かめてみたい、という気持ちがありました。
結論からいうと、本当でした。
凄いなこの人。
小林さんはトーク番組などで、「いるだけでその場を小林ゆう空間にしてしまう」パワーがあって、常々すごいなと思っていたわけなんですが......フリートークではなく、シナリオがあって、セリフを用意していてもそれはまったく同じだったのでした。
打ち合わせ時に、小林さんに、
「あの、アドリブを入れてもよろしいですか?」
と、あの腰の低い感じで聞かれたので、ええもうどんどん入れてください、とお答えしました。
これは収録現場で、役者さんからよく訊かれる問い合わせなんです。実際にセリフを喋る側から見ると、しっくりくるようにちょっと変えたいと思うことがあるみたいなんですね。私は、常にセリフ変更やアドリブOKにしています。最終的にお客さんが受け取るのは役者さんたちの芝居なのですから、芝居がしやすく、芝居が良くなるように変えていくのは好ましいことなんです。
といっても、役者の皆さんは、ポイント的にちょこっとネタを加えたりするくらいのことが多いです。今回もそんな感じだろうと思っていました。
ところが小林ゆうさんはちょっと違ったわけですね。
もう、
嵐のようにアドリブをつっこんできた......。
台本上に1個ボケがあったら、その前後に3倍くらいアドリブのボケをつっこんでくる......。
しかも、演じるごとに毎回そのアドリブボケの内容がちがう。
こんなにネタがポンポン出てくる人見たことない!
その毎回違う、3倍量になった小林ゆうさんのボケを、能登麻美子さんが全部拾う拾う!
そのやりとりが、全部おもしろい!
実のところ、「好きなだけアドリブを入れてください」とは云いつつ、「つまんなかったら、編集で切っちゃおう」みたいな失礼なことも、頭の片隅でちらっと考えていたんです。
でも、全部おもしろかったので、全部そのままOKでいただきました。「嵐のような小林ゆう」が、全部収録される予定です。
加納新太
》世界めいわく劇場 スペシャル+シンデレラ
役者としての小林ゆうさんの活躍は、もちろん知っていました。とにかく声に存在感があって、時々本当にはっとするような芝居をされますね。ながら見をしていたテレビのほうに、思わず振り向いてしまう。要するに、注目していたわけなのでした。
その役者・小林ゆうって、普段の人となりはこういう人なの!? ということを、ラジオ経由で知って非常に驚いたわけです。
こういう人、というのはつまり、
ものすごい周波数でめまぐるしく上下するテンション。
ことあるごとに言及される豚愛好っぷり。
言語を絶する人外魔境の画力。
そして、それがラジオ用のキャラクターではなく、どうやらふだんからずーっとこんな感じらしい、という噂を聞くに及んで、いったいその噂は本当なのか、いっぺん直に会って確かめてみたい、という気持ちがありました。
結論からいうと、本当でした。
凄いなこの人。
小林さんはトーク番組などで、「いるだけでその場を小林ゆう空間にしてしまう」パワーがあって、常々すごいなと思っていたわけなんですが......フリートークではなく、シナリオがあって、セリフを用意していてもそれはまったく同じだったのでした。
打ち合わせ時に、小林さんに、
「あの、アドリブを入れてもよろしいですか?」
と、あの腰の低い感じで聞かれたので、ええもうどんどん入れてください、とお答えしました。
これは収録現場で、役者さんからよく訊かれる問い合わせなんです。実際にセリフを喋る側から見ると、しっくりくるようにちょっと変えたいと思うことがあるみたいなんですね。私は、常にセリフ変更やアドリブOKにしています。最終的にお客さんが受け取るのは役者さんたちの芝居なのですから、芝居がしやすく、芝居が良くなるように変えていくのは好ましいことなんです。
といっても、役者の皆さんは、ポイント的にちょこっとネタを加えたりするくらいのことが多いです。今回もそんな感じだろうと思っていました。
ところが小林ゆうさんはちょっと違ったわけですね。
もう、
嵐のようにアドリブをつっこんできた......。
台本上に1個ボケがあったら、その前後に3倍くらいアドリブのボケをつっこんでくる......。
しかも、演じるごとに毎回そのアドリブボケの内容がちがう。
こんなにネタがポンポン出てくる人見たことない!
その毎回違う、3倍量になった小林ゆうさんのボケを、能登麻美子さんが全部拾う拾う!
そのやりとりが、全部おもしろい!
実のところ、「好きなだけアドリブを入れてください」とは云いつつ、「つまんなかったら、編集で切っちゃおう」みたいな失礼なことも、頭の片隅でちらっと考えていたんです。
でも、全部おもしろかったので、全部そのままOKでいただきました。「嵐のような小林ゆう」が、全部収録される予定です。
加納新太
》世界めいわく劇場 スペシャル+シンデレラ