こんにちは、いいだしっぺ・ダダです。

いつもはっちゃけた文章でおなじみ、GF団の管理人・K(仮称)さんから収録潜入レポートをいただきました。

同じ現場にいたはずなのにどうしてこんなにも視点が違うのかw
一度頭の中を見せてもらいたいものです。

》「白雪姫」収録潜入レポート
》GF団

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こんにちは、いいだしっぺ・ダダです。

今回はひみつの花園、収録ってどんな感じなの? をお届けしようと思います。

スタジオに集合→ミーティング→テスト→本番→インタビュー→解散
という流れを順番に書いてみましょう。

■スタジオに集合
スタッフはちょっと早めにスタジオに集合します。
声優さんが来る前に軽くミーティングです。
音響監督さんに内容を説明したり、注意点をチェックしたり、
シナリオの感想がスタッフから出てきたり。

「今回もヒドいシナリオですね!(いい意味で)」

毎回言われるセリフですw

■ミーティング
声優さんが来て全員揃ったらミーティングが始まります。
シナリオ、役柄の説明をしたり、声優さんから質問を受けたり、
他のドラマCDとやってることは同じだと思いますが、
本作限定の特殊な打ち合わせがあります。

それは、1人で複数役をどう収録するか。

その場で声色を切り替えて一気に録るか、それとも後から役毎に別録りするか。
特に新作「白雪姫」では生天目仁美さんが2役、
伊藤 静さんは8役も演じなくてはいけないのです!
するとお二人とも一気に録るとのこと。なんと頼もしい!

■収録(テスト&本番)
さぁ、いよいよ収録。
一番ドキドキするのはキャラの第一声です!

実は「白雪姫」ではキャラ絵をお二人に見せていないのです。
絵があることはキャラクター作りの助けになりますが、
逆に演技の幅を限定させる場合もあります。
本作ではシナリオと、どんなキャラクターかという補足説明しか
お二人に渡されていないのです。

「んー、今日もお化粧のノリばっちり」

おぉ、お后だ......お后様がいる。さすが生天目さんだ!
おれたちの期待をまったく裏切らない演技!!
そして次も生天目さん。今度は鏡の役です。

「ハイ、お后様」

さ す が 生 天 目 さ ん www
文章では全く伝わりませんが、この一言だけでブースは大爆笑。
底知れぬ実力の一端をかいま見ましたよ、えぇ。

伊藤さんの白雪姫第一声も可愛くて、ちょっと小悪魔的な性格を
内包した演技がすばらしく、いよいよ白雪姫&七人の美少女のかけあい。
美少女1→白雪→美少女2→白雪→美少女3→美少女4→美少女5
と瞬時に変わる演技。スピーカーからは全く違うキャラがどんどん出てきます。
やっぱ声優さんってすげええええぇぇぇ!!

■インタビュー
収録して一息ついたら写真撮影と、インタビュー。
作品の感想や、童話にまつわるお話などを聞いたりします。

やはり童話という誰しもが親しんだ題材なので、
皆さんいろんなエピーソードをお持ちです。
屠殺の話がトラウマになったり、お菓子の家に憧れたり、
ラジオでうろ覚え童話をやっていたり。

とにかくみなさんお話が面白くて、これが一線で活躍する人達の
魅力なのかと毎回感動ですよ。


シナリオの面白さは自負していますが、
声優さんの声が入るとそれが3倍にも4倍にも面白くなります。
本当に声優ってすげええええぇぇ!!

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めいわくな裏話2・伊藤静さん編

(前回の続き)

 そんなわけで、「世界めいわく劇場」の「めいわく」とは、声優さんにハタめいわくな芝居を要求する、という、ろくでもない意味も、ちょっとだけあったりします。
 実は企画段階のシリーズタイトルは「無茶振り童話(仮)」でした。

 

 さあ、今回は、誰にどんなめいわくをこうむっていただこうかな、と考えた結果、伊藤静さんに、7人の小人ならぬ7人の美少女を、ひとりで演じていただくことにしました。
 伊藤さんには白雪姫も演じていただきますので、なんと総勢8人のジサクジエーン劇です。

 

 といっても、7人の美少女は、ひとりひとりがそう重要なキャラというわけでもないので、書き手としては、
「大勢の女の子がよってたかっていっぱい喋ってる、くらいの感じが出ればいいかな」
 くらいの気持ちでした。
 何だったら、かけあいの部分は、1キャラずつ別録りしていけば、収録上の問題も起こらないだろうと。

 

 でも、そんな考えって、第一線で活躍するプロフェッショナルの役者の実力というものを、完全になめた考え方だったのです。

 

 伊藤静さんは、7人の美少女を、7人ぶんきっちり演技プランを作り分けて来られました。しかもそれを、抜き録りなしで、一発通しで演じてみせました。
 すごかった。

 

 CDのラストに、スタッフロールというか、配役のクレジットがあるのですが、これはぜひ皆さんに聴いてもらいたいのです。伊藤静さんの七色の声を。
 びっくりしますよ。このスタッフコールだけで、CDの値段のもとは取れます。

ダダが「これだ!」と思った絵。

とか書くと1行で終わってしまうのでもうちょっと書くと、
作品の雰囲気にあった絵柄の描ける方をまず探しました。

特に重要視したのは「色調」。
童話がモチーフなのにパッキパキのコントラストではおかしいですからねw
やはり童話といえば水彩やパステルの淡い色彩が似合います。

絵本なのにハイライトばっきばきの絵とか合いませんよね。
いや、最近はそういう本も出てきてますが。

次のキャラの容姿。
可愛いキャラクターが描けるのは大前提ですが、モエモエ(?)しすぎてもいけません。
本シリーズは男性向け創作ではなく、あくまで童話モチーフなのです。
メインターゲットの男性に好まれ、かつ女性にも受け入れてもらえる絵柄。
そんなキャラクターが描ける方を探しました。
もちろん絵師さん自身の知名度も重要です。

これらを検討した結果、兎塚エイジさんにお願いすることになったのですね。
個人的に『ゼロの使い魔』大好きですし!(笑)

そして第一弾『人魚姫』のキャラクター案があがってきた時に、
この選択が間違いではなかったことを見せつけられるわけですよ!

シナリオと、おおまかな指示を出して、一番最初にキャラがあがってくる瞬間。
これはどんな作品を作っていてもドキドキします。
まさに分娩室の前で待つ父親の気分。

ちなみにこれが「人魚姫」のキャラです。
兎塚さんから一番最初に受け取る絵。ドキドキでした!

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「これだ!!」と本当に叫びました。

その後いろいろ修正がはいった決定稿がこちら。
人魚姫はそのままですが、魔女ががらりと変わりました。種族からして違うw

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兎塚さんのキャラはシナリオに見事にハマるので毎回届くのが楽しみですよー。

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めいわくな裏話1

 シナリオ担当の加納です。


 シナリオ担当とはどういう仕事かというと、役者陣に読んでもらう台本を書き、ユーザーの皆さんから、「こんなバカなこと書くライターはよっぽどバカだろ」と思われたり、実際に言われたりし、
「そのバカ部分はプロデューサーがどうしても入れろと言った部分なのに......」
 と釈然としない気分になる、そういう仕事のことです。

 

 さて、前のエントリで、そのプロデューサーことダダPが言っていましたが、今回の「白雪姫」、場合によっては「ヘンゼルとグレーテル」になる可能性がありました。

 

 白雪姫にするか、ヘンゼルとグレーテルにするか、さんざん迷ったあげく、とうとう打ち合わせでは決めることができずに、
「とにかく両方のアイデアで書き始めてみて、うまく書けたほうを採用しよう」
 とかいって、結局加納に一任されたんじゃなかったかな?

 

 どうして、「ヘンゼルとグレーテル」ではうまくいかなかったかというと、それは、
「声優2人だけで全部を演じる」
 という、シリーズ全体の縛りのためでした。
 白雪姫みたいに、ドワーフが7人出てくるお話も、2人でやる。マッチ売りの少女みたいに、マッチ売りの少女しか出てこないお話も、2人でやる。

 

「ヘンゼルとグレーテル」に登場するのは、ヘンゼル、グレーテル、魔女の3人。
 この人数が、中途半端だったのですね。
 声優2人で、3人の役を分け合うとなると、どっちかが1役を担当し、どっちかが1人2役。
 1人2役の組み合わせは、「ヘンゼル&グレーテル」か「グレーテル&魔女」か「ヘンゼル&魔女」。
 どの組み合わせでも、いまひとつ、おもしろみにつながらない感じがしたのです。
 どうせ、1人2役をやってもらうなら、そのこと自体がネタになっててほしい。
 人数的にムリな物語を、ムリヤリ2人だけで演じる、というのが基本的な企画趣旨なのです。だったら、あからさまにムリな配役にしたほうがいい。

 

 たとえば、7人のドワーフを、全部ひとりの人に演じてもらうとか。

 

 今回、1人9役を演じることになった伊藤静さんは、台本を受け取って中身を見たとき、
「え? これ何かの間違いですよね?」
 と言ったそうです。

 

 何かの間違いのようなシナリオを演じてくださって、ありがとうございましたぁー。


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